Break the memory card
アルベルト・オッル フォトグラファー
私の プロジェクトBreak the memory card モザイクは、今までにないデジタル写真の在り方の追求から生まれました。
毎日、何百万枚もの写真が撮られますが、残念ながらそのほとんどは現像されません。
このことは、写真芸術の世界の価値を下げることにつながると個人的には考えています。
今日では多くの方々が自分達をフォトグラファーと感じ、1枚の美しい完璧な写真が撮れたら十分だと思われていることでしょう。実際に完璧な写真は数多く存在するものの、現実には何かが伝わってくる写真に出会うことは非常に稀であります。
そしてここから生まれたのが私のアイデア、同じ被写体の写真数十枚をモザイクのように繋ぎ合わせ、新しくそして唯一の画像を創り出す、デジタルとアナログ世界の融合です。
“絵を描くことはできない私にとって写真とは、自分を表現できる貴重な手段なのです”
無限の現像可能が利点でもあり欠点でもあるデジタル写真で、私のテクニックは3つの点から構成されています。それは、撮影、現像、破壊です。
数分の間にこれを全て行い、一度現像した後には、二度と同じ写真を現像できないようにSDカードを壊します。
このような過程を踏むことで、写真の価値、唯一無二性を取り戻すことができるのです。
このプロジェクトは富士フィルムだけが持つ,小さくそして持ち運び可能なプリンターSPによるアナログプリントと最新機能を備えたデジタルカメラなくして実現不可能でした。
制作過程においてピカソ、ジョルジョ・ブラックを代表とするキュビズモ、ダダイズモのマウリッツィオ・ガリンベルティ、Lucio Fontana ディヴィッド・ホックニーから影響を受けました。
プロジェクト実現のために
Fuji X T20 – Fuji X T10 – Fuji X30 – Fuji X T1 – Instax mini – Instax Sp1 Printer – Instax Sp2 Printer
を使用しました。
制作過程をビデオでご覧いただきたいと思います。